ご自宅の売却を進めるにあたって、ターゲット設定は非常に重要です。
どのような方が購入するのか、想像しておく必要があるのです。
皆様もぜひ、想像してみてください。
そして、査定を担当する担当者には聞いてみるようにしましょう。
売却戦略の要となることですから、答えられない担当者は候補から外すのも一つかもしれません。
それほどに、ターゲット設定というのは販売戦略の作成時には重要な要素なのです。
さて、不動産の購入検討者が中古不動産を選ぶ理由は、主に下記の3点です。
- 新築より安い
- 立地重視
- タイミング
それぞれ詳しく見ていきましょう。
新築より安い
中古物件は、基本的に近しい条件下においては新築よりも安くなります。ただ、「どうしても新築がいい」ということであれば、エリアを変えて探せば出てくる可能性は一気に高まります。
少し遠ざかればいいだけなのです。
あるいは狭くしたり、希望階数を下げたりなど、その他の条件を妥協し新築を選択される方も中にはいらっしゃいます。
そういったことをせず、あえて中古物件を買う人は、「エリア」「広さ」「間取り」などの諸条件について、妥協したくないのです。
新築の豪華なモデルルームや、綺麗なパンフレットに惑わされる事なく、シビアに物件を見極めて購入しようとしている人なのです。
それだけ厳しい目、判断基準を持っているのだと言うことを、まず知っておく必要があります。
立地重視
中古物件を選ぶ方が最も重視する傾向が強いのが「立地」です。何かしらの理由で希望エリアを限定されている方はたくさんいらっしゃいます。
エリアを限定すればするほど、候補物件は少なくなってしまいます。
となると必然的に予算を上げたり、その他の条件では妥協をしてみたりして調整を図ることになります。
売主様側から見れば、強気の価格設定が可能な相手ということになるでしょう。
さて、立地の中でも重要視されやすいのは学校の「学区域」です。
特に、小学校は学区域が細分化されており、よりエリアを限定する理由になっています。
例えば小学生くらいのお子様がいらっしゃるご家庭ですと、やはり交遊関係が既にできていますから、なるべく学区を変えずに住み替えをしてあげたいという需要が強くなります。
ママ友のネットワークや日々の生活サイクルの多くが、周辺のエリアに根差したものになっているため、学区域内での住み替えを選ぶ傾向にあるのです。
不動産は半径500m以内に買主様がいる可能性が非常に高いと言われています。
その背景にはこういった事情が強くあるのでしょう。
毎日のように配られる近隣チラシが効果がでるのは、この為だと考えられます。
しかし一方で、こうした学区内の強さを発揮するのは、あくまでファミリータイプである3LDK以上のお部屋であることには注意が必要です。
ちなみに、立地を重視した考え方には学区域のほかにもいくつかのバリエーションが存在しています。
昔住んでいたことがある。
実家の近くなど、人とのつながりを意識したエリア感です。
地域を出たくなく、賃貸住宅に限界を感じていたり、買った方が得と考えて購入に踏み切る層が多いのが特徴です。
結婚や子供の出産といったライフステージの変化をきっかけとした住み替えを行う傾向も強いグループになっています。
「学区限定」という理由に比べると、そのエリアに住む必然性が薄くなるので、物件次第では多少周辺エリアへの変更が効きやすい傾向があります。
知名度や、人気なエリアなど、「住んでみたい」というマインドで立地を選ぶグループです。
都心部や、繁華街、商店街が発達しているような休日に賑わうエリアによく見られ、むしろ地縁が無く外部から移住してくる人が多いのが特徴です。
この2グループは、好む傾向が違う為、住みたいエリアが違う傾向があります。
一般的に郊外ほど「地縁重視」が強く、都心ほど「憧れ重視」が強くなります。
「地縁重視」の買主様はファミリー層が多いので、郊外では広さや間数が確保できないと集客は苦戦する傾向が高まります。
エリアだけでなく、価格に対する捉え方
中古物件の価格は1件ごとに値付けの根拠が異なり、担当する不動産会社によっても価格には変動が生まれてしまいます。つまり、高い物件もあれば安い物件もあるといったバラつきが出やすくなっているのです。
「地縁重視」のお客様はその地域に対する知識が深いため、価格の変動にも敏感です。
過去の物件価格との比較が得意と言われています。
過去事例よりも高ければ反応が鈍り、安ければ強く反応する傾向があります。
対して「憧れ重視」のお客様は、過去の価格まではあまり把握しておらず、現在の情報のみで判断する傾向が強いとされています。
現在の価格が自身の予算内に収まりそうかという軸での判断が強くなります。
ちなみに、郊外に行けば行くほど新築であっても当然安くなります。
新築と中古の価格の差が10%もあればそれなりに差があるように感じますが、実際に購入を検討するにあたっては、新築2000万円と中古1800万円の2択であれば、新築を選択される方は多いはずです。
こうした状況になりますので新築が安いエリアは、中古物件の価格が上がりにくくなっています。
タイミングについて
新築と比較し、中古不動産は購入を決意してから入居するまでのタイムラグが少なくなっています。どういうことかというと、新築マンションの販売は長いものですと完成前から1年以上もかけて販売することがよくあります。
欲しいと思って購入をしてから住めるようになるまでとても長い時間が必要なケースが多いのです。
対して中古は、売主様の退去の都合こそあれど、基本的には決意してから1、2ヵ月ほどで入居可能です。
この差、住みたいと考えたタイミングからの期間が短いことは中古の大きなアドバンテージの1つと言われています。
中古が選ばれる理由の筆頭は「新築よりも安い」という点でした。
しかしそれだけではなく、子供の誕生などにより手狭になってしまった場合など、「すぐに引っ越したい」という急ぎたい買主様の場合、新築よりも中古を好む傾向が強いのです
もう少し補足をしておきたいと思います。
新築でも中古でも、不動産の売買契約の締結時には手付金が必要です。
手付金の金額は、一般的には物件価格の5%から10%ほどが相場と言われています。
それだけの大金を、買主様は売主様に預けなければならないのですが、中古であれば1、2ヵ月のところ新築の場合ですと1年以上、その現金を売主様に預けることとなります。
この手付金、基本的に現金でのご用意が前提となりますが、それだけの現金を預けても手付金には利息などは全く付きません。
現金資産を無利息で長期間、ただただ預け入れることを強要されてしまうのです。
こうした点は、投資的な思考をされる方からは非常に嫌われます。
このような点でも、入居可能時期の到来が早い中古は優位性を発揮する場面が存在しています。
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