0円不動産、0円物件なる物が世の中ではそれなりに利用がされ始めていますね。
売れない不動産をタダであげてしまうという形です。
ユーザー同士のマッチングなので、不動産業者の費用等は不要になります。
不動産を入手する側からすると良い買い物に思えます。
売る側からしても、本来マイナスになる物をタダで処理できるので、良い仕組みです。
が、本来不動産業者が嫌った・・・ 避けた物件ですので、何かしらのデメリットがあるのは否めません。
一般のユーザーにはそのデメリットはわかりにくいので、その点も踏まえて0円物件について考察してみます。
0円不動産、0円物件のリスク
0円物件の売買についての考えられるリスクは- プロによる法的調査がされていない
- そもそもマイナスの価値の物件がほとんど
- 立地が過疎地が多い為、再利用が難しいケースがほとんど
- 瑕疵についても責任を問えない
等が挙げられます。
そもそも何かしらの問題があるから不動産業者は回避しているので、法的に問題がある・価値的にマイナスであるなどの面は理解したうえで、取得する必要性があります。
あくまで、需要と供給のマッチングサイトなので、それぞれの利害が一致すれば有りは有りですが、十分な理解が無ければ、後々大変が起こる可能性がありえます。
売る側からすると、マイナスにしかならない物が0にまでなるので、ある意味自己破産で借金がチャラになるのと同じ、最高にメリットがある形です。
これがなぜ不動産業者が回避するか?という理由の1つになるのですが、ある意味買主を騙している感がある形になるからです。
プロが査定するとマイナスになる物が0円で取得者が現れるわけですから、誠実な?不動産業者からするとあり得ない取引なのです。
また、金銭の授受が発生しない為、買主側から売主に対して契約不適合(瑕疵担保責任)を問う事がありえなくなります。
タダあげるんだから文句言わないでね
という形です。
土壌や地中埋設物等をはじめ、リスクは全て受け取る側の責任の形になるのです。
不動産業者が回避する理由
不動産業者がその販売活動を回避する理由がいくつかあります。- ビジネスとして成立しない 不動産業者はビジネスですから、手数料が無ければ仕事になりません。
- 買主に対して罪悪感がある 先程も述べましたが、そもそもの査定評価がかなりのマイナスであるものを例え0円でも売買しようとするのは、まともな不動産業者であれば良心が痛みます。
- そもそも買主がいない
3~5%の手数料商売ですから、価格のつかないものについてはビジネスが成立しないのです。
これが一番大きな理由です。
マッチングサイトの利用料くらいではとても法的責任を負う事はできませんし、ハイリスク・スーパーローリターンな形はだれしも嫌がるでしょう。
納得ずくで取引するのであれば問題ないですが、デメリットはきちんと説明しておくべきだからです。
マイナスの評価の物を押し付ける形になるのが嫌ですよね?
それができる不動産業者はある意味、強者だと思います。
それでも欲しがる方は世の中にはいるようですが、何かしら特殊事情が無い限りは一般のユーザーには不要な物件だと言えます。
0円物件のシステムはあり?
このシステムは譲る側(売る側)> 貰う側(買う側)
という利益バランスで成立していて、私から見ると決してフェアな状況ではありません。
責任はあくまで個人間で・・・
しかし、それでも何かしらのメリットや事情で譲り受ける方が居るから成立しているので、それなりのニーズがあると言う事なのでしょう。
不動産業者からすると”あり得ない”ことですが、ビジネス的に考えると”すごい”と思います。人の役に立ってるわけですから。
結果、0円不動産、0円物件のシステムはありなのですが、譲り受ける側は十分にデメリットについても理解しておくことが必要ですね。
売る側からすると、成立するならば最高のシステムだと言えます。
自己破産せずに借金チャラ!みたいな感じですから。